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衝撃を吸収・分散するスーパー多重構造(XS・Sサイズは3重構造、Lサイズは5重構造)になっています。青と赤のリバーシブルで公式戦でも使用可能。

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      2012年6月20日


    運動神経がないから格闘技には向いていない。
    そう思っている人こそ格闘技。格闘技はイメージと工夫で誰でも強くなれるものだ。


    格闘技ライター 中村拓己
    1981年8月18日、福岡県久留米市出身。
    ゴング格闘技アルバイト、格闘技ウェブマガジンGBR副編集長を経て、2012年4月よりフリーに。
    各専門誌の執筆や技術本・DVDの制作に携わり、テレビ解説も努める。
    自らも総合格闘技、グラップリング、キックボクシングの愛好者である


     総合格闘技のジムに入門したのが2001年、2005年からはキックボクシングジムにも通い始めた。 専門誌では技術モノのページを担当し、選手の技術書・DVDの製作のお手伝いをさせてもらったこともある。 最近ではテレビ解説の仕事も振っていただけるようになり、現場では「中村さんは自分でも格闘技をやっているんですよ」と紹介され“実践派格闘技ライター”なんて呼ばれることもある。 背が高いのは完全に祖父と父親のおかげで、決してガッチリしているわけではないが、それなりに体格も良いため、どうやら格闘技以外にもスポーツ万能に見えるらしい。 ここで見えるらしいという言葉を使うのは、僕は見た目と違って決して運動が得意だったわけではないからだ。

    体も固いし、足も遅い。球技という球技は何をやっても下手。高校時代は典型的な帰宅部だった。 中学では周りの影響でサッカーをかじったこともあったが、特に真面目に取り組むわけでもなく、 高校に入ってからは完全に部活から縁が切れた。最終的には体力測定のマラソンで部活をやっている女子に抜かれ、ソフトボール投げでも女子に敗北するなど、 某バラエティ番組の人気企画「運動神経がない芸人」を見ていても笑えないレベルにまで僕の運動能力は低下していた。

     この頃からオタク的に格闘技を見るのは好きだったが、自分でやってみようと思わなかったのは、周りに格闘技をやる環境がなかったこともあるが、 自分が格闘技をやっても続かないだろうと思っていたからだ。僕は完全な運動オンチだったのである。 そんな僕が大学進学で上京すると、偶然にも住んでいた家の近くに某有名格闘家が所属する格闘技道場があった。 必修科目以外で学校に行くことがなかった僕にはやたらと時間が有り余っていた。 生で観戦した格闘技の試合にびっくりするくらい感化されて、本当に何も考えず、完全なノリで道場の体験入門クラスに参加した。 でもこの“ノリ”が僕の人生を変えた。

     生まれて初めて足を踏み入れた格闘技道場、レスリングマットのひんやりとした感触は独特だった。 僕が参加したのは初心者向けの体験クラスで、簡単な準備運動とマット運動から始まり、何とか見よう見まねでやってみた。 おそらく側転はいまいちだったが、特に先生から注意されることもなかったため、基本的にどの種目も形になっていたのだろう。 そこからクラスは押さえ込みと絞め技の基本練習と打ち込みに移った。友達にふざけて技をかけたりしたことはあったが、技として教わったのはこの時が人生で初めて。 恐る恐る言われた通りにやってみると、これが不思議なことに上手くいったのだ。先生に言われた通りに体を動かすと、相手を押さえ込める。 先生に言われた手順で力を入れると、チョークスリーパーが極まる。 クラスの最後に行われた押さえ込みと簡単な組み技のスパーリングでは相手からタップも奪うことも出来た。

     初心者同士でやったスパーリングなので、ほとんど実力差がなかったことは間違いない。 でも運動神経がないとばかり思い込んでいた僕が、体を動かすということで人に勝てたというのは衝撃的だった。 自分の好きだった格闘技でコンプレックスを克服できたことは、僕を格闘技に没頭させた。必修科目以外で学校に行かなかったことは変わらなかったが、 とにかく道場に足を運んでひたすら練習を続けた。練習を続けていくうちに、自分の格闘技のセンスがどのくらいのものかは理解できたし、 どう頑張っても手が届かない人間がいることも分かった。でも過去の自分と比較して少しずつ強くなっていくことを体感する楽しさが、周りとの比較を超えていた。 そんな毎日を繰り返して、いつの間にか僕は格闘技で書くこと、喋ることが仕事になっている。

     格闘技を始めて、そして格闘技に仕事として携わることで分かったこと、それは「運動が出来ない=運動神経がない」とは違うということだ。 例えば僕が学生時代に出来なかったのは、今振り返れば団体競技や用具を使った球技、記録を測る陸上競技だった。でも格闘技は違う。 チームメイトとの連携やボールを投げるとか蹴る必要もなければ、絶対的に数字で上回らなくてもいい。 自分と相手、一人の人間同士が勝ち負けを決めるもので、自分の体を自分で好きに動かして、極端な話、それで相手をコントロールして上回れば勝てる競技なのだ。 そしてシンプルなルールだからこそ、頭で考えてイメージする必要があり、その工夫次第で自分を強くすることも出来る。 僕が体験クラスで自分でもびっくりするくらい動けて、自分でも想像しないくらいのめり込んだのは、そんな格闘技の特徴が自分にハマッたからなんだと思う。 実際にこの仕事を始めてみて「格闘技を始めるまで運動は出来なかった」や「球技が苦手」という選手も少なくない。

     体力がない、運動神経がない、学生時代にスポーツが出来なかったから、格闘技に向いていないと思っている人たちに、僕はメッセージを送りたい。 体力がない、運動神経がない、学生時代にスポーツが出来なかったからこそ、格闘技を始めてみよう。 僕がそうであったように、道場には自分の知らない、そして自分を変える何かがあるはずだから。