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    6月2日、王座防衛に成功した川村亮とタクミの間に立つ酒井新代表。
    川村からはパンクラスの公式グローブを渡され、団体の舵取りを託された。
      2012年6月12日
     「コラム By 井原芳徳(BoutReview.com) 」

     「これがパンクラスです!」
     6月2日、パンクラス・ディファ有明大会のメインイベントで、
    大山峻護に逆転KO勝ちしミドル級キング・オブ・パンクラシストの座を守った川村亮。
    パンクラスの酒井正和新代表をリング上に呼び寄せて冒頭の言葉を叫ぶと、パンクラスの真っ赤な公式オープンフィンガーグローブを酒井氏に手渡した。

     この大会の前日、パンクラスはヒルトン東京ホテルで記者会見を行い、
    プロレス大会運営会社のスマッシュへの経営権の移譲を発表した。それまで2年間、選手兼社長としてパンクラスを牽引した川村は、酒井氏にグローブを渡した理由について「代表が変わることには悔しい思いがありましたが、2年間、中途半端にはやってませんから、魂を受け継いで欲しいと思いました」と話した。

     1993年に旗揚げしたパンクラスは、2000年の船木誠勝の引退以降、経営に苦しみ、2008年からディスカウントストアのドン・キホーテを親会社とする新会社に体制が移った。
    その3年目となる2010年10月から社長を務めた川村は、前社長時代からの経営のスリム化路線を継承しつつ、リング上ではタクミ、石渡伸太郎、久米鷹介、大山峻護、佐藤洋一郎、清水俊一、ガイ・デルモら他団体で活躍した実力者を積極的に起用。ランキング制度をより活性化させた。

      ほかにもフライ級以下5階級を新設して軽量級選手の活躍の機会を広げ、
    UFCのようなベストバウト/KO/サブミッション賞のボーナスを毎大会用意することで選手のモチベーションを上げ、ジム・チーム・団体単位で勝率を争う「HYBRID LEAGUE」もスタートしてパンクラスism以外のチームにも注目が集まる工夫を打ち出した。
    団体旗揚げ当時からのスローガン「HYBRID WRESTLING」の「HYBRID(雑種・混成)」をより明確にするような路線を突き進み、パンクラスのリングへの求心力を高めてきた。

     パンクラスの伝統を愛しつつも、ナルシズムに陥らず、若者らしく今の総合格闘技界の時流をしっかりHYBRIDしていく川村社長の改革路線は一定の成果をあげ、ホームリングといえるディファ有明大会はいつからか毎回「ハズレなし」の好勝負続きに。外部からの選手だけでなく、ISAO、徳留一樹、ジョン・ショレスといったパンクラスマット育ちの選手も大会の主力として欠かせない存在になった。

     6月1日の新体制発表記者会見の翌日の有明大会は、
    まさに川村パンクラスの求心力が最大の力を発揮した「完成形」ともいえる内容だった。ガイ、石渡、久米といった修斗出身組が圧倒的な強さを見せつけ、タクミ対ショレス、川村対大山のWタイトルマッチもドラマチックな逆転劇となり観客が熱狂。
    「これがパンクラスです!」と川村が胸を張って言い放てる充実した大会となった。

     パンクラスの「魂」を受け継いだ酒井新代表は、すでに一定の形のできているこのリングを、果たしてどう変えていくのだろう?
    酒井氏は今年に入り、有明大会のみならず5月の沖縄大会にも足を運びリングサイドで試合を観戦し、パンクラスのリングの生々しい今を十分把握している。
    その上で6月1日の記者会見で打ち出した新生パンクラスのスローガンは「世界標準」。パンクラスとDEEPのアマチュア部門を統合するという発表もあったが、それ以外は米国へ派遣する選手のマネージメントやトレーニングのための支部設立、海外ジムとの連携、一部の大会でのケージ採用といった、総合格闘技の本場・米国を意識した改革が中心となっている。

      つまり現状のキング・オブ・パンクラシストを頂点としたランキング制度は維持しつつ、その「求心力」を今度は「遠心力」につなげるのが酒井氏のこれからの仕事となりそうだ。
    酒井氏は新体制発表会見で「前任の川村社長は、この2年間を社長業と選手業に尽力し、パンクラスが世界へ飛躍できる状態まで引き上げていただきました」と川村の実績を高く評価し、「今後は、パンクラスがハイブリッドする時期になったと思います。世界標準のスローガンの下、健全なスポーツ団体として業界のリーダーシップを取って行きたいと思います」と今後の方針を示している。

     「世界標準」の4文字は、新体制発表会見の時から、お馴染みの×マークのパンクラスロゴマークの下にさっそく刻まれるようになった。故スティーブ・ジョブズ氏が97年にトップに復帰したときのアップルも「Think Different」のキャッチフレーズをリンゴマークの下に刻み、その路線のもとでiMacやiPhoneといった斬新な商品を連発し、奇跡的な復活を遂げたが、スローガンのもつ言霊が企業や組織に大きな力を呼び込む例は少なくない。
    「世界標準」の言霊は、今は離れた元パンクラス常連選手、未知の海外勢、米国のケージを目指す若い世代をひきつけ、川村パンクラスの築き上げた求心力をより強化するはずだ。なおかつ米国支部設立などの米国への進出基盤を固めることで、パンクラスを踏み台にされることを極力減らし、米国の大舞台にただ出るだけでなく勝てる力が選手に備わり、パンクラスの世界的評価などといった遠心力が高まる。

     来年、パンクラスは20周年を迎える。ディファ有明、後楽園ホールよりも大規模な会場での記念大会開催を計画している酒井代表は、どんな求心力と遠心力をリングで表現し、「これがパンクラスです!」とアピールしてくれるだろう?

    パンクラスライト級1位、7連続一本勝ち中の久米鷹介も「世界標準」にいちばん近い選手の一人だ。