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ストライカーキックミットストライカーキックミット
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    11月10日(土・現地時間)にマカオのコタイ・アリーナで開催されるUFC MACAO「Franklin vs Le」でジョン・リネカーと対戦する漆谷康宏。3月のUFCデビュー戦でKO負けを喫したが、漆谷にとってあの敗戦は自分を変えるきっかけとなった。UFCは勝てば先につながり、負ければ後がない場所。勝負の2戦目に挑む漆谷がその覚悟と決意を語った。
      2012年11月2日
    「コラム By 中村拓己(格闘技ライター) 」

    今年3月3日、オーストラリア・シドニーで開催された「UFConFX」で漆谷UFCデビューを果たした。
     UFCでは今大会から最軽量のフライ級(56.7kg以下)がスタート、4選手が参加する初代王座決定トーナメントが行われ、当時修斗世界バンタム級王者だった漆谷に白羽の矢が立ったのだ。
    漆谷は2001年にプロデビューし、2010年に修斗で世界タイトルを獲得しているが、漆谷の階級の試合は国内外のビッグイベントで組まれることはなかった。しかしUFCを主催するズッファが軽量級主体のイベントだったWECを買収した頃から軽量級を取り巻く状況も徐々に変化する。
     決定的だったのは2010年10月に発表されたUFCのWEC吸収だ。これによりUFCでもライト級(70.3kg以下)よりも軽いフェザー級(65.8kg以下)、バンタム級(61.2kg以下)が本格的に始まり、漆谷の階級にあたるフライ級の新設も噂されるようになった。
    その流れを「現役の間に自分の階級が出来たらいいな、くらいに思っていた」という目で見ていた漆谷だが、修斗世界王者という肩書きと過去の実績が評価され、UFCで戦うチャンスが舞い込んで来る。UFC参戦はキャリア最大のチャレンジで、「自分の階級が出来るとは思っていなかった」漆谷にとってUFCはまさに夢の場所だった。
     しかし対戦相手は16勝2敗(当時)の強豪ジョセフ・べナビディス。試合は序盤からべナビディスにパワーに押される苦しい展開が続き、漆谷が得意にしている左ミドルに右フックのカウンターを合されて、生涯初のKO負けを喫した。
     デビュー戦でUFCの厳しさをつきつけられた漆谷は「あれは完全に自分のミスで、一番やってはいけないことをしてしまった」と技術的な敗因を分析し、さらに「本当に“夢の世界”じゃないですけど、あの場所で戦うことが気持ち良すぎて、興奮しすぎていた。今思うとフワフワして地に足がついていなかった」と、UFCを戦う場所として考えることが出来なかったと告白している。
     しかしこの敗戦は漆谷を変えるきっかけとなった。べナビディス戦から約1カ月半、「このまま練習を続けていても、また同じ結果になる、UFCでは通用しないと思いました。だからアメリカのジムや選手たちがどういう練習をしているのかを肌で感じてみたかった」とアメリカでの長期トレーニングを敢行(前回のコラムで取り上げた久米鷹介も同行)。アメリカではUFCファイターたちの強さ、そして自分の未熟な部分を感じると共に、今まで培ってきた技術が世界でも通用することを体感した。
    「やっぱりアメリカ人選手は普段からケージで練習しているから、ケージに慣れている。ケージに慣れていない日本人とは違うなと感じました。でも打撃の精度や寝技の技術といった個々の技術はそこまで負けていると感じなかったし、通用するものもあった。だから個々の技術以外のフィジカルや戦略、ケージが影響する試合になると日本人は結果が出ないんでしょう。今、自分はその差を埋める練習に取り組んでいます」
     帰国後、漆谷はデビューから在籍していた和術慧舟會を離れてフリーとして活動。長南亮のTRIBE TOKYO MMA、大沢ケンジのHEARTSといった、UFC・WEC経験者が代表を務めるジムを主なMMAの練習場所とし「自分の戦うイメージが変わった」と戦い方をモデルチェンジしている。
     また修斗の世界王座も9月に返上し「僕としてはUFCに出場が決まった時点でタイトルは返上するつもりだったのですが、色々なタイミングが合わずに、9月に返上することになりました。苦労して手に入れたベルトだったので、それが手元から離れるのは寂しい気持ちもありますが、今はUFCという目標があるので、そこでの戦いに全力投球しようと思います」とUFCでの戦いにすべてを注ぐ日々を送っている。
     漆谷のUFC2戦目は11月10日のUFCマカオ大会で、対戦相手はパンチを得意とするジョン・リネカー。漆谷は「パンチ主体のイケイケの選手。打ち合う距離に入らないなように、自分の距離を取って戦う」とリネカーの攻略法を明確にイメージしているが、敗れた方は2連敗でリリース(契約解除)される可能性もあり、何よりも勝利という結果が求められる一戦だ。
    「もちろん良い勝ち方をして(ボーナスが支給される)ファイト・オブ・ザ・ナイトや三賞を取りたいという気持ちはあります。でもこの世界は結果がすべて。今の自分はとにかく勝たなきゃいけない状況にいると思います。UFCはどんなにいい試合をしても勝たなければ意味がない大会なので、今回は何としても勝つ、それしかないです」
     7カ月前まで、漆谷にとってUFCは“夢の世界”だった。しかし今は「UFCは負けたら試合が出来なくなる、本当にシビアな大会だと思います。でもその分、勝って得るものも大きいし、そんな大会はUFCしかない。色んな意味で特別な場所だと思う」とUFCを自分が戦う場として捉え、「自分がフライ級で一番下のレベルにいることは分かります。でも格闘家として、そこにいて満足するわけはないし、上を目指す気持ちは変わらない。やるからには上を目指してやっていきます」と等身大の自分が進むべき道も明確に見えている。
     屈辱的なKO負けを経て、ようやく“UFCファイター”としてのスタートラインに立った漆谷。崖っぷちの試合であることには違いないが「UFCで戦うことは本当に幸せなこと。だから少しでも長くUFCで戦い続けたい」という想いを胸に、勝負の一戦に挑む。